それに対し,夏の終わりから秋にかけてのみ産卵するアカトンボのなかまの多くや,アオイトトンボの多く,またルリボシヤンマのなかまなどは卵で冬を越します.これらの卵は通常の飼育で80日~200日くらいの卵期間をもっています.このなかまは冬越しのとき,途中のある特定の段階で胚の発育が停止してしまいます.これを休眠といい,このような卵をデレイド・デベロップメント・エッグ(遅らされた発育をする卵)といいます.
ルリボシヤンマのなかまでは胚反転の直前の段階で発育が停止して冬を越し,またアカトンボやアオイトトンボのなかまでは,胚反転を終え,ふ化直前の段階で冬を越します.この休眠というのは,単に温度が下がったから発育が停止するというような単純なものではなくて,遺伝的にきちんとプログラムされて生じていると考えられます.そして外界の,あるシグナルを感知して初めて目ざめるようです.このことはトンボのくらしにとって重要な意味があります.
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